ニコ☆プチ

2022.04.26

ニコ☆プチ保健室

おうちの人へ!! 「親子で考える生理の最新事情」ニコ☆プチ保健室【生理編05】

現在、テレビやネットでいろいろな形で生理について取り上げられることが多くなっています。ポジティブなこととして取り上げられる一方で、「女性だけの話」「オープンにするようなことではない」、また「生理で病院に行くなんて」といった以前からのイメージがつきまとっているのも事実です。


①お子さんがはじめての生理を迎えるまでに知っておきたい3つのこと


お子さんがはじめての生理をむかえるにあたり、ぜひ保護者に知っていただきたいことを3つにまとめました。お子さんの生理の準備にお役立てください。

 「痛みに応じて鎮痛剤は使ってOK」


一昔前は「子どもに鎮痛剤を使うのはよくない」「一度鎮痛剤を飲むとくせになる」といううわさがありました。

しかし、現在は「用法・用量を守れば問題はない」とされています。また、「鎮痛剤はくせになる」というのも正しく内服しているかぎりでは起こりません。むしろ、とても痛くなってから薬を飲むよりも、「痛くなりそうだから飲んでおこう」という予防的な服用の仕方のほうが効果的です。

痛みは緊張や気持ちにもかなり影響されるものです。「今回だけだよ」などとプレッシャーをかけるのではなく、「お薬を飲んだら痛みが和らぐよ」「大丈夫だよ」と声をかけて薬を与えてください。もちろんお薬以外の方法で、体を温めたり、軽い運動を促したりするなどの生理痛の緩和のサポートも大切です。

また、データでは、朝ごはんを食べている人のほうが生理痛が少ない傾向もあるようです。

現在は子ども用のお薬など、飲む人に合わせて効き目の優しい薬もたくさん出ています。不安な場合は薬剤師さんやお医者さんに相談をしてみましょう。

 「生理用品の選択肢を多く持つ」


子どもに生理用品を教えるとき、ナプキンが基本のアイテムだとは思いますが、それだけに限らずいろいろな選択肢を伝えていただきたいなと思います。

ナプキンやタンポンなどの従来のアイテムのほか、現在は月経ショーツやムーンカップなど、好みや生活に合わせて様々なものがあります。

大事なのは、何を使うか子ども自身が選択できる状態にすること。どんな生理用品が快適かは、親ではなく、子ども本人が判断できるようにしましょう。

 「生理で病院に行くことをためらわない」


例えば、お子さんが生理痛で苦しんでいる、最近生理が来ている様子がないと感じたら、子どもであってもためらわずに病院に相談、受診しましょう。ニコ☆プチ保健室【生理編03】のページで紹介した「3のルール」を参考に、婦人科や産婦人科、思春期外来などにかかってみましょう。

※痩せ型のお子さんやスポーツをしているお子さんは特に生理周期が乱れがちです。一人一人の体格に合わせて、まずはあせらず判断しましょう。

 

②家庭でも生理について考える時間をつくってみて


小学校では、国の学習指導要領に従って4年生で生理について学びますが、学校によってその取り組み方はまちまちです。また、一人一人の体の発達の速度がちがうことから、先生が子ども全員にしっかりと指導をすることが難しいという現実もあります。

そこで、家庭で生理について話をする機会があると、理解が深まるのではないかと思います。きょうだいがいるご家庭では、男の子にも「女の子には月に一度体の変化があるんだよ」と教えてあげてもよいかもしれません。

→ニコ☆プチ保健室【生理編】全6回のまとめ


お話を聞いたのは……

やまがた てるえさん(助産師、看護師)
女性の体のなやみや分からないこと、子育てのなやみをサポートしたり、体にまつわる本を出版、保護者を対象にした性教育の講座を行っている。生理が始まるころによむ「13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと」は、たくさんの親子に読まれているロングセラー。2022年3月には「13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと」(かんき出版)から出版。

HP…https://www.hahanoki.com/

※参考文献

思春期女子のからだと心QA 出版社 労働教育センター 著者 八田真理子先生
13歳までに伝えたい女の子の心とからだのこと 出版社 かんき出版 著者 やまがた てるえ

 

Illustration/Noriko Tabata Text/Yoko Masaki



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タグ: ニコ☆プチ保健室【生理編】

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